INSAS学校生活

Carte blanche 不満足までの軌跡。

10月から稽古を重ねてきた自分の演出プロジェクト・Carte Blanche(カルトブランシュ白紙)プロジェクトが12月1日に公演を終了しました。 Carte Blancheプロジェクトとというのは、通常のセミナー(授業)と異なり、生徒主体となって企画から作品立ち上げまで…

1991年10月16日

今年の夏に日本に一時帰国の日のことだった。 コロナの影響で空港から旅立つ人なんか殆どいなくてガラガラのブリュッセルのザヴェンテン空港でのチェックインカウンターでの出来事。 男性の係員にパスポートを渡す。 チェックインカウンターで人が感じよかっ…

迷子の中の迷子。

スランプって経験したことありますか? 私は、いまこの瞬間、大大大スランプに陥っています。 三週間前からクリエーションを始めて、 ここにきてどうやって作品を作ればいいか分からなくなってしまった。 右も左も上も下も前も後ろも、全方位の斜めも。どこ…

稽古が始まったよ。

ベルギーのコロナ禍で、生活は日々変わっていくけれど、 そんな中でもCarte blanche(白紙)プロジェクトが始まった。 毎年、第三学年全体と最終学年である第四学年の俳優コースの生徒が一緒になって、生徒主体でゼロからプロジェクトをつくるのだ。 私は演出…

ラジオドキュメンタリーセミナー。

2019-2020年度の私のINSAS二年目は、3月末をもってポキッと終わってしまったのだけれど、それまででも面白いことは沢山あった。 思い返せば、このブログに足跡として残していないことが今年度いくつかあったので、今更だけど残しにいこう。(元々のブログ名…

大好きな服が、大好きじゃなくなった。

コロナによってベルギー中、いや世界中の機能が一時停止したので、 私の通うINSASも例に漏れず3月末から完璧にストップした。 私は演出科に所属しているので、書いて提出できる課題などもあったが、演劇というものの特性上、リモートで出来るものばかりでは…

世界に対して、写真を撮るということ。

INSASの演出科には、演劇の枠に留まらない様々な授業がカリキュラムに取り込まれている。 そのひとつが写真セミナーである。 12月は、白黒のフィルム一眼レフ。そして、今月はカラーのデジタル一眼レフを扱い、現像までを行った。 12月は、リンゴを撮るとい…

マニピュレート(心理操作)されている意識はありますか?

ステファン・オリヴィエとのワーク2週目。 先週まるまる一週間かけて「テーマを決め」(詳しくはコチラ→先生はマニピュレーター?! - KONDO MIZUKI'S BLOG)てから、今週は更に「どうやったら自分たちの決めたテーマについてワークを進められるか」という作…

先生はマニピュレーター?!

一週間前から、入学当時からずっと気になっていたステファン・オリヴィエとのセミナーが始まった。 ステファンはTransquinquennalというベルギーで有名なCollectif(所謂、演出家-俳優というヒエラルキーを持たない形態のカンパニー。「俳優集団」)の一員…

ステレオタイプを受け入れてみた。

一ヶ月間続いたチャーリー・デゴットとのセミナーRevue(レヴュー)が、昨日終了しました。 Revueについては、先日のブログ記事に詳しく書いてあります。(「笑いをとる」という選択のあとは、笑うだけで済むのか? - KONDO MIZUKI'S BLOG) チャーリーは俳優…

「笑いをとる」という選択のあとは、笑うだけで済むのか?

この土日、日本では史上最強の台風がやってきていた。 被災した人々が一刻も早く穏やかな気持ちで暮らせるように、日本全体が(政府を筆頭に)向かってほしい。 日本が大変な週末を迎えていた一方で、私は日本からはとおいブリュッセルの久しぶりのお天気の…

演劇は必要なのか?という問いを考えてみる。

ベルギーに戻ってあっという間に三週間経ってしまった。 その間に学校が始まり、アパート契約し、引っ越しをした。 授業が始まって早々、ここは最高だな、と思うことがあった。 というのは、あるひとつのことを一週間まるまる使って考える時間を与えられたか…

「空っぽの中に身を置きなさい」

先週の金曜日に、一年全体を通しての講評があった。それと同時に二年次に上がれるかどうかの宣告もその際にされる。 私の番は最後の方だったので、クラスメイトたちの「こんなこと言われたの~」の笑顔の報告を聞きながら、自分の番を待っていた。 彼女たち…

トクトクとしてジャンプする。

18日火曜日の口頭試験をもって、L'INSAS一年目が終了しました。 あとは、明日21日の講評のみ。 長く、短い一年だった。 18日にあった口頭試験は、1月と4月にもあった口頭試験と同じプロジェクトの第三弾目。ソフォクレスの『アンティゴーネ』の演出プロジェ…

怪物を探せ!

気づけば一ヶ月以上も更新していなかった。 こんなことはこのブログを始めてから初めてのこと。 一ヶ月間何をしていたかというと、学年最後のセミナーでフランス人作家ジャン・ジュネの『女中たち』という作品をクラスメイトたちと共同でまるまる一本演出し…

近況報告。

二週間のイースターバカンスも終わり、火曜日から学校。 金曜日には、大事な口頭試験があった。 1月頃から少しずつ準備してきたソフォクレスのアンティゴーネを上演するという仮想のプロジェクトのために、20ページにわたるポートフォリオを作成。 そのため…

新しい「喜び」誕生。

このブログでは散々に「喜び」の話をしてきた。それは、私がまだナントの演劇学校にいたときにその「喜び」(フランス語だとplaisir。英語だとpleasure。)という言葉が授業内はもちろん、日常会話でも連発していたからだと思う。 それが、ここのところたんと…

「頑張らない」ことのススメ。

木曜日に演出家・パーフォーマーのAnne Thuot(アン・チュオ)とのセミナーが終わった。11月に1ヶ月、そして3月に1ヶ月と行われたセミナー。 (アンとの11月の授業の詳細はこちらから→退屈はつまらなくない。 - KONDO MIZUKI'S BLOG) 11月の時点では、様々…

「手放す」ことで、世界が変わる!

12月から稽古していたシェイクスピアのモノローグセミナーが木曜日に終わった。 (L'INSASでは、それぞれの授業のことをセミナーという。ラテン語で「苗床」を意味するseminariumが語源だという。何かを温め学んで次に進もう、っていう意気込みが感じられて…

シェ―キングして前を向く!

ここ最近の授業ではシェイクスピアの作品からモノローグを選んでひたすら稽古をしている。 私は「リチャード三世」の中の第五幕第三場のリチャード三世の台詞を選択。 それを基本的には壁を使ったり、マットレスの山に身体を投げ出したりしながら練習してい…

朝から晩まで映画史漬けの新年。

私の通うINSASには、所属する演劇科の他にも映画科が存在する。校舎がちがうので、なかなか彼らとは交流がないが、新学期は初の2コース合同授業で映画史の授業から始まった。 映画史といっても、「昔からやってもキリがないので、現代からやります」。 と、…

退屈はつまらなくない。

書くことも書きたいこともたくさんたくさんあったのですが、あまりにもやらなければいけない課題が多すぎて、こんなにも久しぶりの更新になってしまいました。 今取り組んでいる課題は、 前回観たChristiane JatahyのIthaqueの舞台美術のレポート作成。 一年…

ブリュッセル国立劇場は太っ腹。

ブリュッセルのフランス語圏国立劇場にて、ブラジル人の演出家クリスティーヌ・ジャタイ(Christiane Jatahy)の「イタケー(私たちのオデュッセエイア1」(ITAQUE(Notre Odyssée1))を、木金土と続けて観劇した。 同じ芝居を三回続けて観たのは初めてのこ…

身体表現の授業①

8月の終りから3週間続いたコンクール。その後まもなく始まった学校。 ぼーっとする間もなく、二か月強走りぬけて、ようやく11月1日から4日間の休みがあった。しかし、それも気が付けば終わろうとしている。今は日曜日の午後。 学校の授業の中でも、最近特段…

演劇に魂を売る。

学校が始まって1か月が経った。 気付いたらこんなに時間が経ってしまっていた。 演劇は、始めてどのくらいになるのだろうか。 一番最初に興味を持ったのは3歳だったのは憶えている。 兄の幼稚園のお遊戯会を観にいった時に、猿蟹合戦でサルのボス役をやって…

耳を澄ますこと。

ひさしぶりの更新になってしまった。 学校に加えて引っ越しやら、アパートの大掃除やらで忙しくしていたらまるで何かを書く時間も、ましてや考える時間もなくなってしまった。 こうなってみて、本を読む時間も映画を見る時間もたっぷりあった日々の如何にあ…

INSASコンクールの話、その⓶。

ベルギー国立演劇学校 INSAS(アンサスと読めます)の合格が決まって一週間が経った。 この一週間は、とにかくビザの更新手続きやらアパート探しやらに奔走しており(ちなみにまだアパートは見つかっていない…)、一昨日友人の家にある荷物を引き上げるために…

受験報告

8月の終りから一昨日まで、約3週間続いたベルギー国立演劇学校L'INSASのコンクールがようやく終わった。 それで、 晴れて、この学校の演出科への入学が決定しました。 念願の国立演劇学校。 4月にスイスのLa Manufactureを受けて落ちて、(詳細はこちら→受験…