ベルギーの冬は気が滅入る。
寒くて、雨が降っているか、分厚い雲に空が覆われているかのどちらかで、日光不足になるのだ。だから、毎年何だか鬱々とするな…と思うと、人々はビタミンDを摂取し始める。
かくいう私も、たった今、去年買ったサプリメントの残りの錠剤を口に入れた。
先ほど、この行き場の気持ちをどうしようかと思って、ブログを書くのを思いついたのだ。
自分の中に渦巻く何かを外に出すと、単純だけれどやはり気持ちは晴れ晴れするので、文章を書くのっていうのはちょうどいいのだ。
それで、今、書き始めて、早速に解決策を見つけた。(サプリを飲んだ)
数日前に、2021年は行動あるのみ、と誓ったのだけど、意外に悪くないかもな。(ブログ書いたと思ったら解決策見つかったしネ。多分明日はもうちょっと気持ちがすっきりしてるはず)
ベルギーは今ロックダウン中なので、冬の鬱々は例年に比べても余計に増す。
うつ病の人も多いと聞くが、あまり表立って出てこないので、よく知らない。
このロックダウン生活で自殺者もうんと増えたらしい。先々週くらい、リモート授業中の学生がふたりくらい、突然自宅の窓から飛び降りて自死してしまったとの記事を読んだ。
「ベルギーは、コロナどうなの?」
と訊かれると、私は結構ぐさっとくる。
というのも、ベルギーは世界ワーストレベルでの感染率を誇っているのだ。誇れないんだけど。ベルギー全体では4人に1人、ブリュッセルだと3人に1人がかかっているらしい。これも少し前の情報なので、また変わったと思う。(調べる気はない)
先日授業中に「そういえば、誰がコロナかかったの?」という質問に、クラス22人いて、大半が手を挙げていた。ちなみに私はかかっていない。これだけ陽性者に囲まれていたので、かかっていたかもしれないが、無症状だったということだろう。
とまあ、こんなひどい状態だけれども、小国ベルギーは世界的に報道されることはない。
日本で語られるのはもっと大きい国のこと。
それは、仕方ないんだけどさ。
でも、10月終わりから始まった二回目のロックダウンから、ほぼ三か月が経とうとしていて、その間、飲食店は閉まっているし、劇場も映画館もやっていない。食料品店以外も12月から開いているけれど、何よりも私には劇場と映画館が必要だし、日中ふとカフェに逃げてココアを飲む、あの小さな時間が恋しい。
マスクも板についてしまったヨーロッパの人々。
この状況にもうすっかり慣れてしまった私たち。
でも正直、うんざりしてるし、疲れた。しかも、ベルギーは冬なのだ。
だから、「そういえば、ベルギーってコロナどうなの?ロックダウンしてるの?」と訊かれると、それがたとえ悪意のないものであろうと、口内からコブシが出そうな感覚に襲われる。
すごいすごい頑張っているし、髪も切れなくてぼさぼさで、それなのにこの国のことは知られてないから、誰も語らなくて、皆知らないんだ。
皆を責めるつもりは一ミリもなくて、どちらかというとこの構造を目の当たりにして、力が抜ける。
私も色んな場面で、似たようなことしてるんだろうな。
そう、思いもよらないようなところでね。
唯一の救いは何だろうなあ。
最近読んだ高峰秀子の著作で彼女がパリ滞在中にブリュッセルを旅行で訪れて、そこで「ボア」を散歩したと言っていて、
「ええ、それってうちの近所のボア?」
と徒歩5分以内にある超巨大な森林公園を、憧れの大スター女優が歩いていたかもしれないと思い出す、その時間かなぁ。
さっき、お正月につくった餡子をお汁粉にして、全部食べてしまったよ、アァ。