「人生変わるような舞台観たことないわけ?」
と大学の卒論担当教授に言われたのが忘れられない。
あの時は(今よりもっと)頑固だったし、自分の感情をうまく外に出せなかったので
「別にないですけど」
みたいに突っぱねて答えた。いや、実際にあの時はなかった訳だけだが。
それから、ずっとずっと、心を揺さぶられる作品を探し続けている。
幸運にも一本、本当に感動した作品に出合った。
映画も一本。
演劇も映画も、真の芸術作品は、鑑賞以前とそれ以降ではもう同じように生きていけない、そんな風に鑑賞者の世界の味方をまるで変えてしまう力をもっている。
本当の作品っていうのは、そういう力を持っていると信じている。
そこから作られる作品があるというのがすごい。
そしてそれは、私だけが思っているからではなくて、世界の誰かもまたそのように思っているからだ。
それってすごい。
世界の美しい部分を見ようという選択をした。