赤くて綺麗な

とてつもなく久しぶりの投稿になってしまった。

前回の投稿から、パリへ引っ越して、エージェント探しやら、写真撮影やら、オーディションを受けたりしていた。1か月前から恋人がフランスに来てくれているので、ようやく心穏やかに過ごしている。

 

お芝居の面では、正直大きな進歩はないけれども、(ないというか、あまり機会がないので確認できない、というか)色んなことをぐるぐる考えて、段々自分の中でのお芝居の存在の立ち位置が変わってきた。

今までは、

お芝居=私の人生

だったけれども、最近は

お芝居=私の人生の一部

になってきた気がする。

それが一番恐れていた感覚なのだけど、そう感じた今は大して悲しくない。

どちらかといえば、むしろ嬉しい気がする。

なんというか、今までとは違う場所に来たのだ、と思う。

 

実はここ最近、旅行先でお店の人などに「え?フランス人じゃないの?」と言われるようになってきた。(もちろん、長く話せば外国人だとばれるのだが笑)

あれほど夢見た言葉。

ここまで来るのに4年かかった。

途中大きな寄り道もしながら。悔しさに泣きながら、言い間違えに笑いながら、たまに怒りながら。

あれだけ夢見た言葉を受け取る今、じゃあ夢が達成されたのだやったーと、万歳するのかといえば、そりゃあ嬉しいけれども、万歳はせずに、ニヤニヤとするだけだ。

それで、そのあとは「もっと頑張らなきゃ」と思う。知らないことの方が多いのは自分が一番分かっているのだ。

自分の立ち位置が分かれば最強だ。そこから見える景色がどう変わるかを確認すればいい。

 

今は、フランスの古都リヨンに滞在している。

タイトルにある赤くて綺麗なのは、この街なのだ。

フランスに来て1年目に2回ほど訪れたのだが、美しいと謳われるこの街に、当時は特別な魅力を感じなかった。

今回、3回目の訪問にして、この街の美しさに初めて心が揺れた。

今思えば、1年目は余裕がなかったのだと思う。

自分の状態がよくなければ目の前にどんなに素晴らしいものがあろうと、それを受け取ることは出来ないということだろう。

 

色々な人がいるし、みんな違うことをやっていて、そっちに心が惹かれたり、隣の芝は青く見えるし、たまに誘惑が転がっていたりするけれども、

自分も着実に、行きたい方向に歩みを進めている。

いい方に、だと確信が持てる。

見たかった世界を見始めているのだから。

まだまだ良くなる。そう信じて、コツコツ努力していきたい。

 

コツコツ、しかないのだ。


啄木鳥のように。

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